放射線の一種であるX線を照射し、人体の内部の写真を撮影する検査です。人体は、骨・筋肉・軟部組織・脂肪・空気などで構成されており、それぞれX線吸収率が異なります。人体を透過したX線量の違いを白黒の濃淡で表現することで、画像が得られます。また、肺や腸管ガスの観察、骨折や脱臼などの異常の有無を調べます。骨と骨をつなぐ軟骨の損傷や、関節の変形・炎症の診断にも使用します。
当院の一般撮影装置の紹介
当院ではFPD(フラットパネルディテクタ)システムが稼働しています。FPDは撮影から数秒で画像が表示されるため、短時間で検査を行えます。また、従来のシステムに比べて効率よく線を検出できるため、低被ばくで高画質な画像を得られます。
長尺撮影装置
2021年に、PFDシステムを用いた長尺撮影装置を導入しました。長尺撮影装置は「全ての背骨」や「腰から足まで」のような広い範囲を一度に撮影する際に使用します。従来では1回の撮影あたり15分ほどを要していましたが、現在では十数秒で撮影できるようになりました。
一般撮影の検査例
- 胸部
- 心臓や肺の状態を診断するために撮影します。肺を広く撮影するために息を吸った状態で撮影します。
- 腹部
- 肝臓や腎臓などの臓器や腸管ガスの状態を知ることができます。管結石や腹水などの疾患のほか、腰椎や骨盤の変形などが見つかる場合もあります。腹部を広く撮影するために、息を吐いた状態で撮影します。
- 骨格系
- 骨折や脱臼、関節の変形のほか、骨腫瘍等の病気を診断するために撮影します。より診断しやすくするために、多方向から撮影する場合があります。また、撮影する部位によっては息止めをお願いする場合もあります。
一般撮影を受けられる方へ
- 撮影部位に金属類(ネックレス、ピアス、ブラジャー、入れ歯、エレキバンなど)、ボタン、湿布薬、衣服のファスナー等があると、診断に影響を及ぼす可能性があります。撮影部位によって、取り外しや脱衣等をお願いしますので、撮影する技師の指示に従ってください。
- 衣服のプリントや刺繍等が写ってしまうこともあります。検査着をご用意しておりますが、可能な限り装飾の少ない衣服でご来院ください。
- お子様などの撮影の際には、同行された方に付き添いをお願いする場合がありますので、ご協力をお願いします。
- 妊娠中またはその可能性がある方は必ず、検査前に主治医または放射線技師にご相談ください。
- その他、ご不明な点がございましたら、放射線技師にお尋ねください。